持ち物・服装・装備の話

アウトドアではいい道具や服装が不可欠。なぜなら道具や服装がよければ快適に過ごすことができ、条件が悪い中でも楽しいことに集中し続けることができるからです。しかし、だからといって全ていいモノを新調する必要はありません。特に子どもの場合は、せっかくいいものを買っても、あまり使わないうちに着られなくなってしまったり、あるいはなくしたりこわしたりする等、残念な思いすることが少なくありません。そこで、アウトドアでuseful(有用)なモノの選び方とそろえ方をみなさんにアドバイスしたいと思います。
私はニュージーランドにいた時、現地の仲間から「日本人はフレッシュなウェアを着、いいものを持っているがアウトドアのことは何もしない」と言われたことにショックを受けて以来、アウトドアとはファッションではなく、いかに遊ぶかであることと考えるようになりました。またマッキンリーでは、ウェアや道具は命を守るためにいかに重要かを学びました。そして2000年にチベットのアドベンチャーレースに参加したとき、アウトドアのモノに対する考え方が完全に覆されました。それは富士山よりはるかに高い高地の村で地元の人達は普通にビーサンで生活していました。その時モノに拘るなんてバカらしい、究極的には道具なんて何でもいいんだ、という考え方に切り替わったのです。
もちろんいいモノはいいし、アウトドアでは必需品というものもたくさんあるので、ある程度はいいモノをそろえてほしいですが、購入する前にぜひ、よく読んでほしいと思います。代用できるものもたくさんありますし、ウェットスーツなど特殊なものに関してはレンタルが可能なものもあります。そして持ち物はできるだけ少なくシンプルにすることが鉄則です。是非参考にして下さい。

1.服装
(1)生地・素材に関する基礎知識
1)綿
ジーパンやTシャツ等の綿類はアウトドアには適さないと言われています。その理由は、水に濡れたら乾きにくく重くなるからです。アウトドアで濡れることは避けられず、そんな時綿類の服を濡れたまま着ていると体が冷え体調を崩しやすく、ひどいと低体温症(ハイポサミア:身体の深部温が35度以下になると器官の機能が低下し、その状態が続くと死に至る)となり取り返しのつかないことになりかねません。その一方で利点として肌触りがよく、また燃えにくいという特徴があります。つまり火を扱うときには適していると言えます。つまりアウトドアでは綿の生地の特徴を理解して使い分けるのが賢い方と言えます。

2)ゴアテックス
防水に関してアウトドアでは完全防水はあり得ないと考えましょう。生地として完全防水のものはありますが、外からの水をシャットアウトできても、中から汗をかけば、その汗は外に出ていかないので、雨具の内側に水滴ができるのです。つまりアウトドアの雨具は外から防水プラス内側の熱を逃がす浸透性が求められます。そこで注目されているのがゴアテックスという素材です。ゴアテックスは他の素材より高価ですが、それだけ優れた素材と。しかしそんなゴアテックスでも使いこなせばその効果も低減していきます。

3)ダウン
アウトドアで軽くて暖かいダウンは必需品です。特に高山では有益です。しかしダウンには濡らすと元に戻りにくい特徴があることを知っておきましょう。日本の山は高くてもせいぜい3000mであり、必ず雨が降ります。雨が降っている時にはアウターとして着ないことやバックパックに入れるときには必ず防水バックやジップロックなどに入れておくことを心がけましょう。

4)フリース
ポリプロピレン等速乾性の高い素材でできたフリースはアウトドアではとても有用です。そんなフリースにも弱点がいくつかあります。通常のフリースは風を通しやすく、風を通さないものには必ず「WIND STOPPER」という表示があるので確認しましょう。また最大の弱点は火に弱いということです。焚き火をする時などはできるだけフリースで直火に近づかないように気をつけましょう。

5)キャプリーン
キャプリーンとはパタゴニア社が出している速乾性の高い下着です。キャプリーンに限らず、アウトドアでは必ず速乾性の高い素材(ポリプロピレン等)の下着を上下身に着けるように心がけましょう。最後に命を守るのは下着といっても過言ではありません。

6)ウール
アウトドアで有用な素材のひとつにウールがあります。ウールの特徴は濡れても暖かいということです。ウールは他の素材より高価であることが難点ですが、グローブやソックスや帽子等の小物はあるととても有用です。洗濯をすると縮みやすいので気をつけましょう。

(2)着方・サイズの選び方
アウトドアでは基本的に状況に合わせて着重ねをしていくのが一般的です。例を挙げると一番下はキャプリーン上下、その上に中間着、雨が降ればその上にレインウェア、寒ければダウン、その上にアウターという順です。サイズ選びは着重ねしたときに動きを妨げないように、インナー類はピッタリサイズ、アウターは少し大きめの方がいいでしょう。クライミング等でハーネスを装着するような時はアウターもピッタリしたものが適しています。重ね着のポイントとしてキャプリーンの上に短パンやTシャツ等丈夫な服を着ると汚しにくく破きにくいのでお勧です。

(3)活動別のウェアの選び方
1)トレッキング・クライミング・登山(夏)・キャンプ
・下着(キャプリーン上下)
・動きやすいズボンまたは短パン
・Tシャツ
・中間着(2000m級の登山ではダウン/厚手のフリース)
・雨具(上下)
・ソックス(2000m級の登山では厚手のウールソックスが理想)
・軍手(2000m級の登山では暖かいグローブ)
・キャップ(2000m級の登山では暖かい帽子)
・トレッキングシューズ(ソールの厚いトレッキングシューズが理想)

2)スキー・ソリ
・下着(キャプリーン上下)
・中間着(厚手のフリース/薄いダウン)
・スキーウエア(上下)
・膝下まである長いソックス(厚手の必要はない)
・グローブ2つ以上(冷たくなりにくいもの)
・帽子(暖かい)
・ヘルメット(レンタル可)
・ゴーグル(曇りにくいもの)
・スパッツ/ゲーター(靴の中に雪が入るのを防ぐもの)

3)シーカヤック・スノーケリング・ライフセービング・サーフィン
・水着
・キャプリーン
・短パン/サーフパンツ(濡れてもいいもの)
・パドリングジャケット(ウィンドブレイカーで代用可)
・ウェットスーツ(1~3mmのタッパー、シーガル、フルスーツ等)
・ストラップつきサンダル
・日焼け予防用のキャップやサングラス
・着替え(暖かい服)
・スノーケリング用3点セット(フィン、ゴーグル、スノーケル)
・マリンシューズ/ウェットブーツ
・ラッシュガード(ウェットスーツに下に着て擦れるの防ぐ、保温性なし)
・スイム用ゴーグル

2.キャンプに必要な持ち物
・食器(カップ、皿、コッフェル、箸、フォーク、スプーン一式)
・ヘッドランプ(換え電池)
・マット
・スリーピングバッグ
・水筒
・歯磨きセット

3.バックパック
・大きいバックパック(小学生は40ℓ程度、中学生以上は60~80ℓ)
・小さいバックパック(小学生は25ℓ程度、中学生以上は40ℓ)
※バックパックは雨に濡らすと中のものが濡れたり、バックパックそのものが重くなる原因となります。バックパックの中の濡らしたくないものは防水バックやビニール袋に入れ、雨の時はバックパック専用のカバーをつけることをお勧めします。